飲食店の閉店を検討したら確認したい、店舗賃貸借契約の3つのポイント
株式会社エルエイトには、出店のご相談だけでなく、「この店舗をどうするか」というご相談も寄せられます。
閉店の判断は、赤字の額だけでは決められません。閉めるときにいくらかかるのかが分かって、はじめて比較ができるためです。
この記事では、閉店を検討する段階で確認しておきたい賃貸借契約のポイントを3つに整理します。
1. 解約予告期間と中途解約の特約
まず確認したいのは、解約を申し出てから契約が終わるまでの予告期間です。店舗の契約では、数か月前の予告を求められることが少なくありません。
予告期間中は、営業していなくても賃料が発生します。閉店したい時期から逆算し、いつ申し出るかを決めておく必要があります。
定期借家契約の場合は、さらに注意が必要です。国土交通省の資料では、居住用の一部の建物を除き、中途解約は特約があればその定めに従うとされています。特約がなければ、期間の途中で解約できない場合もあります。
確認する項目は、予告期間の長さ、解約の申し出方法、期間内に解約する場合の違約金の3点です。
2. 原状回復の範囲
原状回復とは、退去時に借りていた場所を契約で定めた状態に戻すことをいいます。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、民間賃貸住宅を想定したものです。
店舗の場合は、契約書や特約によって範囲が定められているのが一般的です。
「スケルトン(内装や設備を撤去した状態)に戻す」と定められている場合、内装の規模によっては工事費が大きくなります。工事業者が貸主側で指定されているかどうかでも、金額は変わります。
入居時の状態を示す写真や図面が残っていると、退去時の協議を進めやすくなります。
3. 造作や設備を引き継げるかどうか
内装や厨房設備を次の借主に引き継ぐ方法を、造作譲渡といいます。引き継ぎが成立すれば、撤去にかかる費用を抑えられる場合があります。
ただし、造作を残して退去できるかどうかは、貸主の承諾が前提です。契約書に撤去の定めがある場合もあります。また、リース契約の厨房機器はリース会社の所有物のため、そのまま譲ることはできません。
自社で所有している設備とリース中の設備を一覧にしておくと、協議がスムーズに進みます。
貸主への相談は、解約を申し出る前の早い段階で行うほうが、選べる方法が増えます。次の借主が決まるまでに時間がかかることもあるためです。
判断の順番
閉店の検討は、次の順番で進めると整理しやすくなります。
- 契約書で予告期間・違約金・原状回復の範囲を確認する
- 閉店にかかる費用の概算を出す
- 営業を続けた場合の見込みと比較する
閉店の時期は、繁忙期や決算期との関係でも変わります。スタッフの次の働き先や、常連のお客様へのお知らせにも時間が必要です。
余裕をもって準備を始めることで、関わる方への影響を小さくできます。
なお、違約金や契約条項の解釈など、個別の法的な判断が必要な場合は、弁護士などの専門家にご確認ください。
株式会社エルエイトは、店舗物件のご相談から、採用、教育、集客、AI・DX、店舗運営、多店舗展開まで、飲食店経営に必要な支援を行っています。
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