飲食店の閉店で必要な届け出と提出期限

飲食店を閉店するときに必要な届け出は、主に保健所、税務署、年金事務所、ハローワークの4か所です。この記事では、それぞれの提出期限と、届け出の前に済ませておきたい従業員への対応を整理します。

以前の記事では、閉店を検討する段階で確認したい賃貸借契約のポイントをお伝えしました。今回は、その次の段階である「閉店を決めたあと」の手続きに絞った内容です。
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2026年9月4日に発表された東京商工リサーチの調べがあります。2026年1〜8月の飲食業の倒産(負債1,000万円以上)は701件でした。前年同期と比べて8.8%の増加です。不採算店の整理を考える経営者の方も多い時期だと、私たちは受け止めています。


1. 保健所への廃業届

飲食店の営業許可を受けている店舗は、閉店後に保健所へ廃業届を出します。多くの自治体で、期限は廃業から原則10日以内とされ、営業許可書の返納も求められます。

期限や提出方法は自治体によって異なります。郵送で受け付けているかどうかも含めて、管轄の保健所に確認しておくと安心です。複数の店舗を運営している場合は、店舗ごとに管轄が違うこともあります。


2. 税務署への届け出

税務署への届け出は、事業の形によって変わります。主なものは次のとおりです。

  • 個人事業の開業・廃業等届出書:廃業した年分の確定申告期限まで
  • 給与支払事務所等の廃止届出書:廃止の日から1か月以内
  • 法人の異動届出書:異動等のあと速やかに
  • 酒類販売業免許の取消申請書:業を廃止する前

酒類販売業免許を持っている店舗は、閉店より前に申請が必要なので、見落とさないよう注意します。

必要な書類は個別の事情で変わるため、税理士または所轄の税務署にご確認ください。


3. 社会保険・雇用保険の届け出

従業員を雇っている店舗では、保険の手続きも必要です。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)は、適用事業所全喪届を年金事務所などへ提出します。期限は事実発生から5日以内です。雇用保険は、適用事業所廃止届を廃止の翌日から10日以内に、ハローワークへ提出します。

どちらも、ほかの届け出より期限が短めです。閉店日が決まった段階で、提出の段取りを先に組んでおくと慌てずに済みます。


4. 従業員への説明は先に

届け出よりも前に考えておきたいのが、従業員への対応です。労働基準法では、解雇する場合は少なくとも30日前に予告する必要があります。予告をしない場合は、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払います。予告の日数が足りない分は、その日数分の手当を支払う形です。

閉店日から30日以上さかのぼって説明の日を決めておくと、手当の負担を抑えやすくなります。従業員が次の働き先を探す時間も確保できます。

整理解雇の考え方は個別の事情で判断が分かれるため、社会保険労務士や弁護士にご確認ください。


閉店日から逆算した確認の順番

閉店を決めたら、次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  1. 閉店日を仮に決め、30日以上前に従業員への説明日を置く
  2. 酒類販売業免許がある場合は、閉店日より前に取消申請をする
  3. 閉店後5日以内に社会保険、10日以内に雇用保険と保健所の届け出を出す
  4. 給与支払事務所等の廃止届は、閉店後1か月以内に出す
  5. そのほかの税務署への届け出も、期限を確かめて早めに出す

ここで挙げた期限は2026年10月時点の各機関の公開情報にもとづくものです。最新の情報は、各機関の公式サイトでご確認ください。

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